イタリアの基本情報。
国名の由来から首都、人口、通貨などから治安や出入国など。
イタリア共和国 (Italian Republic) 漢字表記(伊太利)
面積 | 30.2万平方キロメートル |
人口 | 6,036万8千人 |
首都 | ローマ |
民族 | イタリア系ラテン民族 |
言語 | イタリア語 |
宗教 | キリスト教(カトリックが国民の80%と言われています) |
通貨 | ユーロ € |
時差 | UTC+2(日本が7時間進んでいます)(サマータイム適用) |
イタリア国旗の由来
18世紀末、ナポレオンが、北イタリアを征服した際、トランスバーナ共和国の市民軍の制服の色(緑、白)に赤を加え、軍部の旗を作ったことが由来です。
19世紀のイタリア統一運動ではシンボルとなりました。緑は「国土」、白は「雪・正義・平和」、赤は「愛国者の血・熱血」を表すとされます。
中央に紋章を配していた時期もありましたが、1946年の王政廃止とともにこの旗に戻りました。↓
国名の由来
イタル人の国の意味で、牛を表す「ビタロス」という古ラテン語に由来します。半島南部で多くの牛が放牧されていたことからギリシャ人が名付けたそうです。(諸説あり)
イタリアという名前が、最初に使用されたのはナポレオン支配時代の1803年から。
歴史に登場するのは最近なんですね。
気候
イタリアの気候の特徴は、温暖で雨が少ない地中海性気候で、四季の区別がはっきりしていること。
ローマと東京の気温は年間を通じてほぼ同じですが、イタリアでは夏は日差しも強く乾燥し、冬に比較的雨が多くなります。
細長い形をしたイタリア半島は、南北で気候に差が見られることも特徴です。
春(3月〜5月)
比較的イタリアの春は雨が多い時期ですので雨具は必携ですが、朝晩冷え込む時期でもありますのでダウンジャケットや重ね着で調整できるような準備が必要です。
5月になるとローマでは日中は25℃を超える日もあり、日差しも強くなるので薄手の長袖シャツや日焼け止めがあった方が良いでしょう。
夏(6月〜8月)
イアリアには日本のような梅雨はありません。
むしろ乾季となり空気も乾燥しますのでリップクリームなどがあった方が良いでしょう。
気温は6月のヴェネチアやミラノでは朝晩は15℃くらいまで下がりますので、上着は必要です。
7月〜8月の日中はローマやナポリでは30℃近くまで気温が上がりますので、日本と同じ服装で良いと思いますが、教会などの入場時は規制などもあるので、露出の多い服装は注意が必要です。
秋(9月〜11月)
9月くらいだとまだまだ暑い日も続きますが、10月〜11月になると朝晩は冷え込みます。
11 月になるとローマで最低気温8℃くらい、ミラノでは3℃くらいまで下がります。
ダウンジャケットやコート、重ね着の準備は必要です。
また、11月は雨も多いので雨具は必携になります。
冬(12月〜2月)
イタリアの冬は日本より寒暖差が大きく、ミラノでは夜は氷点下になうことも多く、日中は15℃くらいまで上がる日もあります。ニット帽、マフラー、手袋は必携ですが、セーターなどのインナーより重ね着で対応した方が上下する気温に対応しやすいと思います。
セーターなどは暖かいのですが、日中気温が上がったり、建物内が暖かいと調整しずらい服装でもあります。
上着を厚手にして調整した方が、対応はしやすいと思います。
両替 チップ
通貨 ユーロ € 補助通貨はセント ¢ (100セント=1ユーロ)
紙幣は€500、€200、€100、€50、€20、€10、€5です。
(€500 を筆者は見たことないですが…)
コインは€1 €2 ¢50 ¢20 ¢10 ¢5 ¢2 ¢1
日本で両替は可能。
出発前に銀行や空港で両替できますが、紙幣のみ。
両替は、出発前の国内空港が一般的。
現地の空港はレート高いうえ手数料とられます。
紙幣はなるべく、€5 €10 €20 €50を多く持っておく。
€100 €200は、高額商品を現金で購入するときぐらいです。
現地で現金の支払いをする際、大きい紙幣は嫌がられます。
チップはツアーなら、食事には必要ありませんが、トイレにチップが必要です。
¢50〜ですが、紙幣は使えません。
イタリア到着時にコインを所持していなければ、到着した空港でミネラルウォーターなどを購入してコインを手に入れましょう。
日本のように紙幣から小銭といった両替はほとんどしてくれません。
(ホテルなどではまれにしてくれますが、団体ツアーのお客様にはほとんどしてくれません)
電圧 ネットワーク環境
電圧 220V プラグCタイプ
携帯やタブレットなどの充電なら変圧器は不要。
航空機、空港やホテルにはたいていUSBの差し込みがあります。
Wi-Fi環境は空港やホテルは、ほぼ問題なく無料で使えますが、つながりにくいことが多いです。
レンタルのWi-Fiルーターなどをおすすめします。
スマホの翻訳系やマップ系のアプリなどがすぐに使えて便利です。
日本で使ってるドライヤーや湯沸かし器は、そのままでは使用不可。変圧器が必要ですが、高価なので現地のものを利用するか、海外対応のヘアドライヤー、湯沸かし器の購入をおすすめします。
湯沸かし器は、意外と重宝します。
現地の食事に飽きてしまった時など、カップラーメンやインスタント食品を食べることができるので筆者はいつも持っていきます。
出入国
イタリア入国に必要なもの(2024年5月現在)
パスポート
10年以内に発行されたパスポートで、残存有効期限は帰国予定日から3カ月以上が必要。
観光目的で、1シェンゲン協定締結国領域内での滞在日数の合計が直近180日のうち合計90日以内であればビザ不要。
ETIASの取得(2025年から導入予定)
ETIAS(エティアス)とは一般的な観光や乗り継ぎのために、シェンゲン協定締結国をはじめとするヨーロッパ諸国(イタリア、スペイン、フランス、ドイツなど30カ国)に入国する際に必要な渡航認証制度のことです。直近180日のうち、合計90日以内の滞在が認められます。2025年上半期から導入が予定されており、取得をしていない場合は航空機や船舶などに搭乗できないことがあります。取得はオンラインで行い、クレジットカードで支払いとなる予定(料金 €7で、18歳未満と70歳以上は無料)。有効期限は3年、またはパスポートの有効期限まで。パスポートを更新した場合は、再びETIASを取得する必要があります。
ETIAS公式サイト
2024年現在、新型コロナウィルス感染症のPCR検査は不要です。
渡航する際に推奨するもの
Visit Japan Webへの情報登録【推奨】
入国手続き「検疫」、「入国審査」、「税関申告」、「免税購入」をウェブで行うことができるサービスです。
海外から入国される方のほか、日本に帰国される方もご利用頂くことができます。日本出国前にメールアドレスでアカウントを作成し、同伴する家族などの利用者情報や出入国のスケジュールを登録しておくと、帰国時の手続きがスムーズに行えます。
Visit Japan Web サイト(デジタル庁)
「たびレジ」の登録【推奨】
「たびレジ」とは、外務省からの最新の安全情報を受信できる海外安全情報配信サービスです。旅先の安全情報や旅行中、大規模な事件、事故自然災害などの緊急事態が発生した場合、現地の大使館・総領事館からメールで受け取ることができます。筆者は添乗業務前の前に必ず登録していました。
「たびレジ」サイト (外務省)
海外旅行保険の加入【推奨】
海外旅行保険は【推奨】とさせてもらっていますが、強くおすすめします。海外で病気やケガをした場合、原則的に医療費や追加滞在日の宿泊費自己負担となります。筆者が、添乗業務中に何度かお客様がケガや病気になりましたが、たいていの場合は現金での支払いを要求されていましたし、ビックリするほどの金額でした。クレジットカードによっては海外旅行保険付帯のものもありますが、条件付きのものが多く注意が必要です。空港などでも加入できますので出国前に手続きしておくとよいでしょう。
- 〈シェンゲン協定とは〉
ヨーロッパの一部の国家間で締結する検問廃止協定のこと。シェンゲン領域は現在、シェンゲン協定に加盟する 27 の欧州諸国で構成されています。
シェンゲン協定は、加盟国間の貿易をより簡素化し、ビジネスマンや旅行者の国境通過手続きを迅速化するため、すべての加盟国が国境を廃止することに合意した条約です。
27 現在のシェンゲン協定加盟国は以下の通り:オーストリア、ベルギー、クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス。
シェンゲン協定加盟国の国民は、シェンゲン協定加盟国に入国する際にパスポートや身分証明書を提示する必要ありませんが、シェンゲン協定加盟国以外の国の国民は、パスポートまたはその他の渡航書類が必要となります。
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治安
添乗員をやっていて、どの国でも治安のことはお客様には四六時中と言っていいくらい伝えましたが、イタリアはそれこそ「四六時中」という言葉がピッタリハマるくらいでした。
日本と違うということは、しっかり頭に入れておく必要があります。
多い犯罪は?
スリ
まず、ガイドブックや旅行サイトなどでみると「スリ」が代表格としてあげられます。
軽犯罪(スリ、置き引き)が多く、強盗のような犯罪は少ないと書いてあるもを見かけます。
たしかにその通りで、筆者もお客様をお連れしていて何度もお客様が狙われたことがありました。
筆者ではありませんが、ホテルの駐車場で出発前、二人組の男性に羽交締めされ、ナナメがけしたカバンを強引に盗られたうえケガをしたといった実例がありました。
それは軽犯罪ではありませんよね。
イタリアに限ったことではないのですが、「軽犯罪」と書いてあれば「安心」というわけではありません。
観光地はもちろん、空港、ホテル内も要注意です。
予防策
- パスポートなどの貴重品はボディバッグなどの体に巻き付けるようなものを利用する。
(普段取り出さない貴重品) - 現金などは小分けにする。
(万一盗られても被害は最小限に) - 同行者がいる場合にはなるべく集団で行動する。
(写真を撮る時などは周りを見てもらう) - 頻繁にポケットやカバンを触る
(スリを気にしている人は狙われにくい) - 近づいてくる外国人は相手にしない
(道を日本人に聞いてくるわけないですよね?) - 基本手ぶら
(貴重品をホテルに預ける)
モノ売り
ミラノのドゥオーモ付近などでよく見かけるのですが、外国人がいきなり近づいてきてミサンガ(ヒモ状の腕輪)を巻きつけてきます。
困惑した顔していると「代金を払え」と言われます。
ミサンガ代と言われますが、「あなたが勝手に巻き付けてきたもの」と言っても聞いてくれません。
強引な押し売りのようなものですが、似たようなパターン見かけるのが「ハトのエサ売り」。
観光地には、ハトがいますがえさをあげている外国人が近づいてきて「君もどう?」と言ってエサの入った袋をくれますが、受け取ると代金を取られます。
他にも「花売り」「ローズマリー売り」がいます。
(ローマのスペイン広場あたりでよく見かける)
予防策
- 近寄ってくる売り子は完全無視
(それにつきます)
置き引き
置き引きもスリと二分する犯罪です。
筆者が、添乗員時代に遭遇した一番大きい置き引きは、なんとスーツケース。
筆者のお客様ではなかったのですが、同宿していた他ツアーのお客様でした。
観光地、ホテル、空港、レストランいずれも危険ゾーンです。
朝食会場はビュッフェスタイル(バイキング)が多いのですが、席にカバンを置いていて食べ物をとりに行って帰ったきたらカバンがなくなっていた……あたりまえです。
また、列車などで発車前の列車内に乗り込み、発車直前に網棚から荷物を持っていくといったこともありました。
予防策
- 貴重品は常に身につける。
(貴重品は死守) - 空港の待合室やホテルのチェックインなどは比較的カバン、キャリーケースなどから目が離れやすいので常に自分の周りに置いておく。
(意外とこれが難しい) - 同行者がいる場合はいつも気にかけてもらう。
(お互いで意識をもつ)
また置き引きではないのですが、列車などの移動中、スーツケースの持ち運びを手伝う代わりにチップを要求するケースもあります。
全てに共通しますが、信頼できない人は近づけない、近づかないです。
犯罪に巻き込まれたら
いくら注意をしていても、普段と違う行動ですし、予期しない事態があれば注意力散漫になるケースもあります。
いざという時の緊急連絡先を控えておく必要があります。
特にクレジットカードなどはカード会社の電話番号を必ず控えておきましょう。
また、パスポート紛失に備えてパスポート番号の控え、事務手続きをするための写真は常に携帯しておくと良いでしょう。
イタリア国内緊急連絡先
警察 Tel:113 救急車 Tel:118
在イタリア日本大使館・総領事館
- 日本大使館(ローマ)
住所:Via Quintino Sella,60 00187 ROMA
Tel:06.487991
Fax:06.4873316 - 日本総領事館(ミラノ)
住所:Via Privata C.Mangili, 2/4 20121 MIRANO
Tel:02.6241141
Fax:02.4873316
この記事は2024年5月時点のものです。現在とは情報が異なる場合があります。
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